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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


タオルをみわの口から放すと、既にタオルは唾液を大量に吸って重くなっていた。

「声出せなくて、興奮した?」

「……少し……」

ベッドに入り腕枕をしているが、やはりシングルベッドは狭い。
みわは恥ずかしそうに頷いた。

「……でも、やっぱりいつも通りがいいな」

「そうっスね、オレもみわに名前呼んで貰いたいし」

声を出してはいけないというのはスリリングで、いつバレるか……とそれはそれでまた興奮するのだが、
やはりいつもの愛し合う行為には遠く及ばない気がする。

……いや、刺激的ではあるから、たまにスルなら全然アリ。

「みわ、マネージャーの事もあまり思いつめないでよ」

「うん、ありがとう。正直、長期戦になるかなって思ってる」

「……そうっスねえ……」

「私が引退する時までに、彼女が成長してくれれば嬉しい。
そして、残ったチームをまた強くしてほしい」

「え、そんな長期っスか?!」

「例えば、だけどね」

くすりとそう笑ったみわは、それを完全に冗談とは受け止めていないようだ。
そのくらいの覚悟を持ってやっているということか。

「ずっと1軍見るんスか? つけあがらない?」

「ん~……唯一のマネージャー経験者でもあるし、仕事を覚えてくれるのは一番早いんだよね。
ただ、納得いってないことには積極的にはなれないみたいで……」

「あんまりにもヒドいようなら、監督に相談したらどうスか?」

「……彼女はやっぱり、私が……私たちが変えてあげたい」

海常のチームに変えられたのは、オレも同じだ。

確かに、オレは誰かに言われてとか大人に言われて変わったのではない。
センパイ達の背中を見て、信頼して信頼されて、今がある。

出来ることなら、彼女にもそうなって欲しいのだろう。

「なんか、壮大な計画になりそうっスねえ」

「ふふ、そうだね」

ああ、出すとやっぱり眠い。
更に、この肌を腕の中に抱いているから余計だ。

乾燥機の洗濯物を取り出さなくちゃいけないのに。

「……みわ、愛してる、よ……」

幸せそうに微笑むみわの顔が視界に入ってきて、安心して重くなった瞼を閉じた。



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