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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「わッ!」

ここ最近の激務で少しだけ軽くなった彼女の身体を攫うように持ち上げて、ベッドへ寝かせる。

力強く胸元で握られているネックレスの鎖がまた、しゃらんと鳴った。
まるで、熱い行為の合図のように。

「……涼太?」

みわは、少し不安げに眉間に皺を寄せた。

「……やっぱり、今日は帰したくない」

そのキレイな大きな瞳が見開かれるのを見て、堪らず唇を寄せた。

「えッ……ン」

まだ、みわの眦には涙が滲んでいる。


ひとりで泣かないで、みわ。
オレが、慰めてあげるから。


みわの手の動きから、不安そうな表情から、戸惑っているのが分かる。

パーカーの下は、何も身に着けていない。
裾から手を入れて、いつもよりも優しく、慈しむように、この気持ちが伝わるように肌に触れた。

「ん……ぅ……」

みわは、抵抗しない。

こんな事をしておいてなんだけど、絶対に抵抗されると思っていたのに。

シャワールームであれだけ場所を気にしていたのが嘘のようだ。

「涼太……」

囁くように、名前を呼ばれるのが堪らない。

「ん? ……イヤ?」

驚く事に、みわは腕をオレの首に回してきた。



「……今日は甘えても、いい?」



みわは、オレの気持ちに気付いてくれていたのだろうか。
悲しそうに濡れた瞳を少し揺らしながら、そう言った。

気持ちが通じているのが、嬉しい。

「勿論っスよ……」

もっと甘えて。
オレを頼って。
オレを必要として。



こんな風に傷ついている彼女を慰めたいと思うのは、おかしいことだろうか?

こんな場所で行為に及ぶのは、普通ではないのだろうか?

……むしろ、慰めるという口実を作って、自分が満たされたいだけではないのか?

自分の中でも葛藤が生まれるが、上昇していく熱がその感覚すらも薄れさせる。

サイズの大きいパーカーを脱がせてしまうと、みわは頬を染めて、胸を隠した。

「……あ、明るいの、や……」

明るい場所でしっかりとのその肉体を拝みたいが、今は目的が違う。

ベッドサイドのランプを点灯させ部屋の電気を消すと、艶めかしくしなやかな肢体が闇の中にぼんやりと浮かび上がった。

「みわ、相変わらずキレイっスね……」



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