第13章 肌
また……空回りしちゃった……
なんかもう……わけわかんない……。
なんで突然暴走しちゃうんだろ……。
「余計なことして……んっ、ごめんなさい……っ」
「はぁ……無理しなくて、いつも通りのみわっちで……いいんスよ」
黄瀬くんのこの表情……バスケしてる時とも、普段とも違う目……この熱っぽい目も、好き……。
「黄瀬くん……もっかい……する……?」
「やめとくっス。言ったでしょ、無理させてまでしたくねーって」
「だ、だってさっきからずーーーっとキスしてるから……ッ」
触れては離れ、触れては離れの繰り返し。
まるで、キスの雨が降ってくるみたいに。
「練習またちょう頑張るから、ふたりきりの時くらい好きなことしたっていいじゃないっスか」
笠松先輩の言葉を思い出す。
エースの重圧。この人は、いつもその重圧の中にいるんだ……。
「ん……いいよ、甘えて……?」
「ま、たッそういう可愛い事言う……はぁ……」
さっきから、キスだけじゃなく身体へも大きな手が触れていて……。
なんだか気持ち良くて、もう頭がぽーっとしてきた……。
余裕なく胸に吸い付いてる黄瀬くんを見るとすごく興奮する。
「あ……ッ は……っ」
「ごめん……結局、キスだけじゃ収まってねーっスね」
そっと、黄瀬くんの頭を手で包む。
まるで、ねだってしまっているみたいだ。
「はぁ……はぁっ……ん……んんっ……」
「……ッ……煽んないでってばッ……」
多分、私もこうなること、期待してた。
ずっと、触れて欲しかった。
「黄瀬くん、でも、ちょっと……足だけは負担、かけないでね……?」
「大丈夫っスよ、そこはちゃんと動かさないようにしてるっスから」
「あっ……あっ ちょ、黄瀬くん!? なんか身体中キスマークだらけになってるんだけど!」
「プールとか海とか行く予定ないっスよね? 全然ヘイキっスよ」
「そ……そういう問題、なのかな……合宿までには……消えるよね……?」
なんか……胸に散らされた花がマーキングされてるみたいに見える。
……恥ずかしい。
その日は結局他愛のない話をしながらもずっとキスは繰り返されて、じゃれあっている内に、眠ってしまった……。