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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


最近の自分の変態っぷりには自覚があるつもりだが、それにしても。

そのうち、オレはみわを解剖したくなるのではないかと心配になる。

彼女の指から流れる赤い血を口に含むと、鉄の味がした。

……生きているんだと、安心した。

みわに文句を言われながらシャワールームの外の様子を伺うと、先ほど使用中になっていたシャワールームは既にドアが開放されており、無人だった。

みわを先に部屋に入れ、指の手当てをしてから自分は洗濯物を取りに行こうと、洗濯室へ向かった。

既に停止している洗濯機から洗濯物を取り出し、併設されている乾燥機に放り込む。

……乾くまでにはまだ少し時間がかかりそうだ。

設置されている壁掛け時計を確認すると、既に時刻は0時を軽く過ぎていた。

「やっば……」

こんな事をしていたら、終電がなくなってしまう。
まあ、そうなったらタクシーもあるし、構わないか。

自分が寮生活になり、彼女はお祖母さん宅で補助をしながら生活するようになって、ふたりきりの時間がめっきり減った。

それに加えて、新入生の世話でみわはいつも大変そうだ。

あの彼女、スズサンひとりでも相当面倒だろう。

オレならさっさと辞めさせるか、相手せずに好きにさせてしまうだろうけれど、元来お人好しのみわがそんな事を出来る筈がない。

それに、みわはマネージャーの仕事に誇りを持ってやってくれている。

それをあんな風に言われて、内心穏やかではないだろう。

学校でもクラスが離れ、なかなかゆっくり話をする機会がなかった。

今日は愚痴のひとつでも聞いてあげたい。

……本当なら、少しずつ今後の話もしていきたいな、と思っているのだけど。

回り始めた乾燥機の音を確認してから、洗濯室を出て、すぐ横にある自販機でホットミルクティーを2本購入した。



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