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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「りょ、涼太ッ! なん……」

「みわ、大きな声だしたら聞こえちゃうっスよ」

「あっ、ご、ごめんなさい……」

っていやいや、謝っている場合ではなくて。

こんな狭いシャワールームでは、マトモに身体を隠せない。

肌が、ぶつかる。

彼の肌はまるで氷のようで、このままでは凍えてしまいそうだ。

「じゃ、じゃあ涼太が先に終わらせて」

シャワーをひねり、温かいお湯を出した。

私が壁際に少し避けると、お湯は涼太の身体を濡らし、流れ落ちていく。

「ぁー……あったかいっスね……」

あまりに寒く、我慢が出来なかったんだろうか。

悪いこと、しちゃった。


……やはりここにふたりは狭い。
私は、身体についたこの泡を流してしまえばおしまいだ。

「涼太、私流したらすぐに出るから……」

そう言って泡を流そうと思ったのに、いつの間にか涼太の腕が腰に巻き付いていた。

「ちょっ」

「……行かないで」

耳元で囁かれたこの声に、全て持っていかれるような力があるのはなぜなんだろう。

「みわ、行かないで」

シャワーから絶えず放たれる湯がふたりの身体を濡らしていく。

「ね、ねえ涼太ッ……」

「みわ」

身体を更に近くに引き寄せられて、彼の引き締まった身体が重なる。

「ちょっと、ここ、どこだと……」

涼太、何考えてるの。
ただでさえ、見つからないかドキドキしているのに…!

「みわ、キスしよ」

「え……っ」

「……しよ」

「ぁ、待っ……」

唇が、重なる。
久しぶりのその感触に、全身がぶるりと震えた。

「は……ぁ……」

唾液を啜るように、舌が絡み付く。
熱い。

腹部に当たった彼の欲望が、硬くなり角度を変えていくのが分かる。

髪から滴った水滴にすらも、ゾクゾクと反応してしまう。

「ン、ン」

もう、キスだけでもいってしまうのではないかというくらいの恍惚感に包まれ、身体からは一切の力が抜けてしまっていた。

すっと唇が離れ、目をなんとか開けると、舌舐めずりする涼太の姿が見える。

「……ね、キスしやすく、なったでしょ?」

まるで"してやったり"とでも言いたげなそのワガママな視線ですらも、魅力的だった。




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