• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「じゃ、とりあえずびしょ濡れのジャージ脱いで。洗濯して乾燥機かけちゃう」

涼太も濡れた部屋着を脱いでいる。
鍛えられた背中の筋肉に、思わず目を逸らした。

「そ、そんなのもあるんだね」

「うん、洗濯室にあるから、着替えてる間にオレが行ってくるっス。洗濯はこの時間でも誰かやってるかもしんないからね」

見つからないか、ハラハラする。

涼太にジャージを渡し、借りたパーカーを着ようとして……

「みわ、下着も濡れてるでしょ、貸して」

……私はどうしてコンビニでショーツの1枚も買ってこなかったのか。

もう、あまりの寒さに、早くここへたどり着く事ばかりを考えてしまっていた。

「えっ、だ、大丈夫。替え、ないから」

「いいっスよ、シャワー浴びてるうちに終わるから」

……確かにびしょびしょの下着を身につけたままというのは、物凄く気持ちが悪い。

……甘えてしまってもいいでしょうか……。

「あ、あっち向いててね」

「ハイハイ」

くすくすと笑いながら涼太は後ろを向いてくれた。

一応、長めのパーカーがミニのワンピースのようになって、お尻などを隠してくれている。

これなら、大丈夫そう。

「あのこれ、よろしくお願いします……」

「あ、普通の下着か」

ちらりと手の中の下着を確認して、残念そうな顔をした。

「ふ、普通ですっ!!」

「アハハ、ちょっと行ってくんね」

パタンとドアが閉まる音が響き、涼太は出て行ってしまった。

しんと静まり返る室内。

引っ越したばかりだというのに、もうこの部屋は涼太の匂いでいっぱいだ。

なんだかそわそわしてしまい、テーブルまで移動して座った。


部屋自体は狭いけれど、なんだか落ち着く空間。

女子寮もこんな感じなのかな。
悪くないなあ。

今はおばあちゃんちに居候させて貰っているけれど、それもいつまで居ていいのか……。

自分の居場所が、また分からなくなってしまっていた。

テーブルの上にはノートパソコンが置いてある。

一緒に住んでいる時は、よく調べ物で使わせて貰ったなと思って何気なく開き、パスワードを打ち込むと……。

「……!?」

思わずパタンと閉めた。

見なかった。私は何も見なかった。

詳しくはよく分からないけれど、えっちな動画が表示されていた事だけは分かった。

私はなんにも、見ていません。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp