• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第64章 魔性の女


「なんか、凄いっスよね」

今日も今日とて、マネージャー希望者の山を見て、思わずため息が漏れる。

「あー、確かに去年よりも多いな」

「黄瀬効果だろ」

「ま、実際マネージャーになる子なんて、あの中の一握りだって」

センパイ達はしれっとそう言って、先に着替えて出てしまう。

オレも急いで着替えを終え、後を追った。



ランニング前に、軽く柔軟をしておく。
そんな時、少し高めの声が響き渡った。



「こんなの、納得出来ません!!」



ふと、マネージャーの山に目をやると、みわに噛み付くように向かっている女子が目に入った。

小柄でいかにも気の強そうな子。
あぁ、またあの子か。

「どうして私が2軍の先輩につかなければならないんですか! こんなの、誰が決めたんですか!」

ざわつく体育館内。
おいおい、大丈夫っスか?

「私が決めました」

みわはあくまでも冷静に返す。

「どうしてですか!? 私は唯一この中でもマネージャー経験があります! 納得出来ません!」

「キオタさんから学ぶ事がまだたくさんあるからです」

というか普通は大体3軍マネージャーにつくんだから、2軍から見れるのだって相当な好待遇だと思うが。

更に、キオタサンは……まあ、合宿で告白されたりと色々あったけれど、みわから信頼されて仕事もどんどん任されるようになっている。

あくまで彼女はオレに拘るのか。
浅はかだな。

「キオタ先輩から学ぶ事なんてありません!!」

静まり返る体育館内。

「神崎先輩はいいじゃないですか! 1軍のマネージャーだから!
2軍以下のマネージャーになる身にもなって下さい!」

……ぷちんとみわの何かが切れた音が聞こえたような気がした。

「……ちょっといいかな?」

みわは、彼女を連れて体育館を出て行った。

「お、おい早川、あれ止めに行った方がいいんじゃ」

3年生のセンパイ達が、心配で寄ってきた。

「いや、神崎に任せ(る)」

早川センパイも、1年みわと過ごして彼女の事はちゃんと分かっている。

あんなのに怯んでたら、海常マネのトップなんて、張ってらんないっスよね?


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp