第13章 肌
黄瀬くん、肩幅広いし、首も太いし、胸板もしっかりしてるし……
普段、制服着てるとあまりわからないけど、すっごく男の人のカラダをしている。いや、当たり前なんだけれど。
なんだか、すごくキレイな顔してるからちょっとギャップが……。
「みわっち、そんなじっくり見られると照れるんスけど」
「だって肌がツヤツヤなんだもん……」
あ、乳首。
さっき触れられた時、気持ち良くてびっくりした。あんな恥ずかしい声が自分から出るなんて……。
男の人も、気持ちいいものなのかなあ。
なんとなく、指で撫でてしまう。
「ちょ、みわっち、くすぐったいんスけど」
くすぐったいんだ。
私はあんなに気持ち良かったのに……不思議だな……。
「なーに? どうしたんスか〜?」
「なんか……黄瀬くんとこんな事してるの……ちょっと信じられなくて……」
私の他に、どれだけの子がこうしたいと願っているだろう。
私みたいなワケありの女じゃなくて、黄瀬くんが我慢しなくて済む、美人でなんでも出来る素敵な女性が。
こんな、私みたいな女じゃなくて………
……。
「黄瀬くん……どうして私と付き合ってるの?」
「え? 好きだからっスよ」
「……なんで私なんかを、好きになってくれたの……?」
「……正直、きっかけは分かんないっスわ。
可愛かったりすげーカッコ良かったり、気づいたら惹かれてて……もう今は夢中」
照れ隠しのようにおでこに落とされた、柔らかいキス。
「みわっちは……なんでオレと付き合ってるんスか?」
「え、そ、それは、す、好きだからだよ……」
「ほら、一緒じゃないっスか。どこ? オレのどこ好きになってくれたの?」
どこ……って……。
「活躍してる姿と、時折見せる寂しそうな顔と、楽しそうにしてる笑顔と……なんか、気づいたら色々気になってた」
「そっか……見ててくれたんスね。オレの事。
……みわっち……アトつけていい? オレのものって印……」
黄瀬くんが首筋にキスをする。
強く摘まれたような感覚があった。
「いたっ、……あ……?」
「キスマーク、色白だから目立つっスね」
いたずらが成功した子どものような、そんなまなざし。
「何それ……ずるい」
「え? みわっち、今何て?」
「私も、つけたい!」
「え、ええ?」