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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第63章 変化と進歩と計略と


労わるように肌に触れる指が、髪を梳く指が優しくて。

ああ、このまま眠ってしまいそう。
身体がどんどん重みを増して、シーツに沈んでいく。

瞼が重い。

「りょうた……そんなに優しくされると……も、ねむいよ……」

「だめ……まだ寝ないで、みわ」

こんな事言われるのも、初めて。
いつもは眠らせてくれるのに……。

涼太が、胸に顔を埋めてくる。
ちくんと、肌に痛みが走った。

「あッ……」

涼太が噛みつくように、吸いつくように肌に赤い跡をつけていく。

「ん、ん……」

真っ赤な花が散らされると、今度は優しく舌でちろちろと刺激される。

その感覚がなんとも言えず、物凄く興奮してしまう。

「……勃ってる」

涼太が胸の先端にかぶりつくと、もう動かないはずの身体がびくんと跳ねた。

「んあ」

「……イイ反応」

胸への遠慮ない愛撫で、眠気が薄れて、覚醒してくる。

「ま、待ってよ涼太、しんじゃう」

快感ばかりを与えられて、いつか本当に頭がおかしくなってしまうかもしれない。

さらに口を下へ移動させようとする涼太の胸を押し返していると、部屋の隅に段ボールが置いてあるのが見える。

「あ……涼太……もう、引越し……?」

その声に反応して、涼太の動きが止まった。

「うん、寮に空きが出たって……。
3月中に引越し済ませた方がラクって聞いたから」

「寮って……そんなに広いの?
こんな大きなベッド……」

「いや、これは実家に置いておくっス。
実家のベッドを寮では使おうと思って」

「そっか……」

ここでこうして愛し合うのも最後……。

「捨てるわけじゃないっスよ、このベッド」

「うん……」

「……寂しい? 泣かないで……」

ああ、また涙が勝手に……。
なんでだろう、こんなに悲しいのは。

貴重な涼太との繋がりがなくなってしまうような気がして……。



こわい。
ひとりになるのが、こんなにもこわい……。

「ごめんね、みわ」

「ううん……私こそ、めそめそしてごめんなさい」

涼太が優しくキスをしてくれて、それがまた涙の引き金になってしまった。



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