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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第63章 変化と進歩と計略と


なんだか元気のないマクセさんと別れ、自室へ戻った。

まだ朝食までには時間がある。
スマートフォンをチェックすると、昨夜涼太からの着信履歴が残っていた。

しかし、不在着信になっていないところを見ると、私が寝ぼけて出てしまったのだろうか。

しまった。
会話の内容なんて一切覚えていない。



少し時間は早いが、発信ボタンを押した。
数回コール音が鳴った後に、繋がった。

『……んー……モシモシ……』

やばい。完全に寝起きの声だ。

「おはよう、みわです。
ごめんね、寝てたよね。またかけ直します」

焦って事務的な口調で一方的にそう告げ、電話を切ろうとするとスピーカーの向こうから声が聞こえた。

『みわ?』

この気怠げな声に弱い。
どこから出しているのかと思うほどに、色っぽい。

「あ、うん……ごめんね、こんな時間に。
今、部屋に戻って来たから」

『……どっか行ってたの?』

「あの、昨日マクセさんの部屋で寝てしまったみたいで……」

怒られるかな。
無防備だって……。

『…………身体はどう?』

「頭が痛くて、少し気分が悪いくらい……。
風邪じゃないみたいなんだけど」

『二日酔い?』

その単語にどきりとした。
なぜ私がお酒を飲んでしまった事を知っているんだろう。

「わからないけど……あの、昨日電話貰ったのにごめんね。
……何話したのか、覚えてなくて……」

『昨日は、マクセサンが電話に出たっスよ』

「え?」

『みわを部屋まで送ったって』

「あ、あれ? ううん、私、マクセさんのお部屋で目が覚めて」

『……身体は?』

「え? え?」

寝ぼけた声はすっかりいつもの涼太の声に戻っている。

「うん、だからね、頭が……」

『そうじゃなくて、身体』

「からだ……?」

『服はちゃんと着ていた? 下着は?』

「え、なに? なに? 別に変わりないよ」

いきなりどうしたんだろう。
寝た格好のまま起きたに決まっている。
自分の部屋じゃなかったんだから。



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