第63章 変化と進歩と計略と
舌が擦れるたびに鳴る卑猥な音が、正気をどんどん奪っていく。
「……や、あ……」
力の入らない腕で押し返され、大人しく唇を離した。
俺は、誰に何をしているんだ。
酔って朦朧としている彼女を押し倒し、驚くほど手際よく衣服を捲り上げた。
先ほど僅かな抵抗を見せていた彼女も、今は抵抗をして来ない。
寝息は聞こえてこないが、寝てしまったのか。
眠っている女を犯す趣味などないはずなのに、好都合だ、とすら思う獣のような自分がいる。
露わになった彼女の肢体は、驚くほどに美しかった。
程よい肉付きの思春期の肉体とは、こんなにも男を誘うものなのか。
白く、透き通った肌。
くっきりと浮き出た鎖骨に、うっすら線の入った腹筋。
大きさこそ控えめだが形の良い乳房に、色素が沈着していない乳首。
茂みの下に見える小さな蕾と花弁が、誘っている。
その全てがあまりに神聖で、手を触れるのすら躊躇われた。
最近、女性と最後に身体を合わせたのはいつだったか。
容易に思い出せる程最近の事だったのに、まるで禁欲期間が長かったかのように、疼く。
やめろ、取り返しのつかない事になるぞ。
彼女の応援をすると決めたんだろ。
今すぐ、やめるんだ。
頭の中のもうひとりの自分が必死に警告してくる。
分かっている。
分かっているのに、止まらない。
張りのある乳房を掴むと驚くほどに柔らかく、手の中で容易に形を変えていく。
「……ん」
微かに漏れた声にギクリとするが、すぐに反応がなくなったことに安堵し、両手で揉みしだいた。
じきに小振りで桜色の先端が硬く尖ってくるのが分かる。
吸い寄せられるように、口に含む。
無意識だった。
肌の甘さが、脳を直接揺さぶるように攻撃してくる。
ぐるんぐるんと目の回るような情欲に、もはや理性など存在しない。
こんなにも興奮して女性に触れた事があったかと思うほど、コントロールが効かないのだ。
下半身は重みを増し、痛いほどだ。
無我夢中で乳首に吸い付きながら割れ目に指をあてると、ぬるりとした感触を感じた。
濡れている。
衝動的に指を挿入した。
「ん……りょー……た……」
混濁する意識の中で愛しい男を呼ぶ声は、どことなく安心感に満ちていた。