第13章 肌
「みわっち、オレの……当たっても気にしないでいてくれると、助かるんスけど」
「……え、うん……わかった……」
今は通じたらしく、恥ずかしそうな様子で言うみわっち。
オレもシャツを脱いだ。
「……わッ!」
「みわっち? ……どしたの?」
「……あ、あの、筋肉が……すごいなって……」
練習終わってからとかも結構場所気にせず脱いでるから、見慣れてるかと思ったら……
「そっスか? なんかハズカシイっスね」
オレがトランクス一枚になると、みわっち自身はさっと布団の中に隠れてしまった。
……マジっスかー……
これ、マジでほぼ全裸っスかー……
オレ、耐えられるのか?
既に興奮状態なのに? 無理じゃね?
っていうか、みわっちどうしちゃったの?
嬉しいけど……この展開。どうして。
オレに気を遣ってる?
……考えても分かるわけないっスね。
観念したオレも、布団に潜る。
「黄瀬くんの身体……きれい……」
みわっちが、オレの腹筋を指でなぞる。くすぐったい。
「えー、そっくりそのまま返すっスよ」
「ぎゅって……して……いい?」
なんなんスかもう! 可愛すぎ!
胸、当たってるし……
ついでに、みわっちの下腹部のあたりに大きくなったオレが当たっている。
いてて……もう、めちゃ膨張してる……
なんてゴーモンっスか。これ。
でも、人肌が最高に気持ちいい。
体温が、同じになっていく感覚。
抱き合ってるだけなのに、心が満たされていくのが分かる。
肌と肌が触れ合ったところから、溶けていく。
熱い肌に勿論興奮はするものの、それ以上に安心する。
「……みわっち……」
「きせくん……あったかい……」
もう、わけわかんねー。
アタマ真っ白だ。
「ご……っ、ごめんね、怖いって言っておきながら……こんな……」
「……いいんスけど、無理してない?」
「……するのは怖いけど、黄瀬くんが怖いわけじゃなくて……黄瀬くんには触れていたいの……この気持ち、どうしたらいいか分からなくて……へ、へん……かな……」
なんか、くすぐったい。
オレは男だから勿論抱きたい、けどこうして、温もりを感じているのも悪くないと思えた。