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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第3章 海常高校


天気がいい。
抜けるような青空に誘われて、しばらく校内をウロウロしていると、体育館の裏手に出た。

さすがスポーツ強豪校、体育館がひとつではない事に驚く。
もしかしたら、競技ごとにあるんだろうか……?

体育館の裏かぁ……放課後に呼び出されて、告白とかされちゃう王道スポットだよね。
漫画やドラマのような展開……いいなあ。正直憧れる。

……でも、私は男の子と付き合う資格なんてない。
こんな私が。
恋愛なんて……出来るわけがない……。

していい、わけがないんだ。

暗い気持ちで足を進めると、体育館の中からボールの音が聞こえてくる。

バスケットボールか……バレーボールか……大きいボールがバウンドする音だというのだけは分かった。

入り口には人だかりができている。
皆、部活見学だろうか。

運動部に入る人って、年々減っているとニュースで言っていたけれど、こんなにも希望者がいるなんて。

入り口からは中が覗けそうにないので、壁沿いにある小窓から覗いてみる。

一際目立つ、黄色い髪の毛。
黄瀬くんだ。

その手に持つボールから、バスケをやっている事を知る。

黄瀬くんは、バスケ部に入ったみたい。
背が高いから、サマになっているなあ。

バスケの練習なんて見たことがない。
興味本位で暫く見ていたら、どうやら今日は新入生挨拶と基礎練習がメインのようだ。

見学の女の子たちの声が聞こえる。

「なーんだ、黄瀬くん全然試合しないじゃーん」

「つまんないね、今日は帰ろうか」

なんと、彼女たちは黄瀬くん目当てだったのか!
すごいなあ……ホント芸能人みたい。

私は、基礎練習を見ていても楽しかった。
きっとこの動きはこの筋肉を使うんだなとか、これはどういうところで活きる練習なのかなとか、自分の知らない世界には、興味がある。

それに、皆が仲良さそうで、見ているだけで楽しそうな雰囲気が伝わってくる。

皆、バスケが好きなんだなあ。
打ち込めるものがあって、いいなあ。

彼らの練習に魅入っていたら、気付けば日が暮れていた。

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