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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第63章 変化と進歩と計略と


フラフラと覚束ない足取りで部屋に戻ると、洗面所の手前でへなへなと座り込んでしまった。

私が、涼太の負担になる。

わたし、に



未来なんかない。



だって……


突然酸っぱいものがこみ上げてきて、トイレに駆け込み、吐いた。


「う……」


言葉にならない言葉の代わりに、ひたすら吐き出した。

脂汗と涙でぐしゃぐしゃになりながら、何故吐いているのかも分からないままに、胃の内容物がなくなるまで吐き続けた。

「げほっ、げほ、ぅ……」


涼太の側で力になりたい。

それは、私では叶わない事なの……?



トイレットペーパーで顔を拭い、水を流して立ち上がると、目眩がする。

水道で歯を磨いていると、土気色になっている顔を鏡の中で見つけ、咄嗟に目を逸らした。

考えなきゃいけないのに、考えれば考えるほど頭が真っ白になっていく。

こんな事、初めてだ。

……いつから私は、自分の未来が真っ黒になったんだろう。

ヤツに犯される毎日になってからか。

あのおぞましい感触が背筋を走り、また吐きそうになるのをなんとか堪えた。

過去を消さないと未来が見えないの?

あれがなければ、今私は未来を見据えて頑張っていられた?



考えても考えても、どうしたらいいのか分からない。

消したい。
汚れた過去を、汚された過去を全部。



スマートフォンが着信を知らせる。
涼太の名前が表示されているのに、私は出ることが出来ない。

今声を聞いたら、助けを求めてしまいそうで。

だめだ。
これは私自身の問題だから。


私が、強くなるために必要なこと。




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