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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第63章 変化と進歩と計略と


「あ、黄瀬涼太君みっけ!」

みわとの通話を終え中庭から旅館へ戻ると、大学生チームのマネージャーを務めている女の人がこちらへ向かってきた。

「探してたんだよー! オネーサン達とあそぼ」

うっ。
そうきたか。

「オレ、明日も早いんで……」

「なぁに言ってんの! 皆一緒だって!」

そう言われたらぐうの音も出ない。
はぁと小さくため息をついた。
これもお付き合いか。

「じゃあ、30分だけ……」

「やった!」

オネーサンは無遠慮に腕を組み、オレを連行して行った。



「黄瀬君連れてきたよー!」

きゃあきゃあと盛り上がる室内。

……こんなにいたのか、女性。

「いやーホントにカッコいいねー! 彼女いるの?」

「いるっスよ」

「だよねー! よりどりみどりでしょう! 彼女いっぱいいそう!」

「いや、オレそういうのないんで、ひとりっス」

きゃーと更に盛り上がる場内。

「やだー一途とか、可愛すぎるー!!」

「写真ないの? 写真!」

ふと言われて気がついた。
写真……ない。

あるのは集合写真くらいか。

そもそもみわは写真を撮られるのが大嫌いで、何かとシャッターを押す役をしたがる。

この間の香水の広告だって、ハッキリ顔が出るものだったら絶対に頷かなかっただろう。

写真、欲しいな。

いつでも見れるように。

あ、最中のも欲しい。

オカズに出来る……とか言ったら殴られるか。



「いいなー高校生のお付き合い!
しがらみもなくて、ヤリまくりでさー!」

……酒臭い。どうやらオネーサン達はだいぶ酒が入ってるらしい。

ひどい出来上がり方だ。

「アタシも、当時ナマでヤッてたらデキちゃってさー、あん時は焦ったわー」

「……それで、どうしたんスか?」

「え? 勿論堕ろしたよー高校生だもん。無理っしょ」

「でもワタシ、黄瀬君との子どもならアリだなぁ、なんて!」

……胸糞悪くなる話になってしまった。
生命を、なんだと思ってんだ。

「オレ、そろそろ戻るっス」

「ええー、待ってよ黄瀬君」

「オネーサン達といい事しよー?」

「あんたそれ、セクハラだってー!」

アッハッハと、品も何もあったもんじゃない。

振り向きもせず、部屋を去った。



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