第62章 卒業
暫く、目を逸らしたくなるような画面が続く。
男の人の指が、物凄い勢いで女の子のナカを出たり入ったりしてかき混ぜている。
ぐちゅぐちゅという音と、女の子の甲高い喘ぎ声だけが響いている。
「あんなに強くされて、痛くないのかな…」
つい、ボソッと本音が漏れた。
「ん? まあ、AVは基本的に見た目が刺激的になるように作られてるっスからねえ……」
涼太が耳元でそっと囁き、部屋着の中に手を滑り込ませてきた。
「あ、ちょ、涼太ッ」
容易に下着に入り込んできた指が秘部に触れ、ぬるっとした感触を感じた。
「……んっ」
「みわ、濡れてる……」
恥ずかしい。恥ずかしい。
いつもの何十倍も恥ずかしい。
「や……」
「……って言っても、AVみたいにいきなり入れたって痛いだけっスからね……」
涼太はソコのぬるつきを指で掬って、陰核に擦り付けた。
「あぁ……ッ!」
突然の痺れに、腰が浮く。
もう既にこの時点で画面の中とはしている事が全く違うんだけど……。
「……AVと同じようにやった方がイイっスか?」
「あ、アッ……!」
頭に靄がかかり、涼太の質問に答えられない。
はぁ、はぁと自分の喘ぐ息の音だけが耳に響いてしまい、耳を塞ぎたくなる。
「んー、こっちの具合はどうっスかね……?」
小さな水音と共に、涼太の指が入ってくる。
「あ……ッ!」
いつもの感覚。
ナカを押されて、擦られて、ワケが分からなくなる。
「……動かすっスよ」
涼太が、指を激しく出し入れし始めた。
画面の向こうのように、大きな音がし始める。
「っあ、あ……!」
こんな勢いで出し入れされた事はない。
「んッあ……ああ!」
卑猥な音が耳をつき、興奮する。
でも、なんだろう……。
「りょ、た……」
「ん? 痛い? 大丈夫?」
痛くは……ない、けど……。
「いつもの、が、いい……」
「うん?」
「涼太……が、いつも、してくれるのが……一番、きもちい……」
「……」
スルッと指が抜けてゆく。
「んッ」
涼太がリモコンを手に取り、停止ボタンを押してテレビまで消してしまった。
何か、気を悪くするような事を言ってしまっただろうか。