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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第62章 卒業


「ありがとうございましたー!」

今日の練習はこれにて終了。
明日は休養日だからか、皆何処と無くウキウキしている感じがする。

まだまだ先に感じていたのに、大学チームの合宿参加は、もう来週に迫っていた。

おばあちゃんの家へ明日荷物を運んだら、先に合宿の準備をしてしまった方がいいかな。

きっと1週間もあっという間だろう。

「じゃみわ、オレ事務所行ってから帰るね」

一足先に片付けを終えた涼太。
ハードな練習のせいで、身体中汗だくだ。

「うん、分かった。ちゃんとシャワーで汗流して行くんだよ」

「了解っス、ちゃんと浴びてから行くよ」

「髪もちゃんと乾かしてから行くんだよ、風邪引いちゃうからね!」

「ハイハイ」

ニコニコと手を振って去っていく彼にそう声を掛けると、周りからクスクス笑っている声が聞こえる。

「奥さんかお母さんみたいだね、みわちゃん」

そんな中、一際大きな声で笑っていたマクセさんがお腹を抱えながらやってきた。

「……そんなに可笑しかったですか……?」

そんなに隠しもせずに大ウケされると、かなり恥ずかしい。

家ではいつも交わされる会話だったんだけど……。

「新婚なんだか熟年夫婦なんだか分からない感じが面白いよ」

いえ……夫婦ですらないんですが……。


「来週からの合宿なんだけれどね」

マクセさんは胸元からゴソゴソと紙を取り出した。

「ハイ! 詳細ですね。ありがとうございます」

目を落とすと、どうやら会場は埼玉県。
学校が管理している合宿所らしく、合宿所の名前には学校名が入っていた。

「2泊ですよね。合宿用に荷造りもしないと」

「それでみわちゃん、君はこっちだ」

マクセさんはもう1枚紙を取り出した。


「……え?」

「君にはこっちの合宿に参加して貰う」

そう言って取り出したプリントには、実業団チームの名称が書かれている。

「え、これって……」

「君はまずここに残った部員と3日間は通常練習。大学チームの合宿から戻ってきた彼らと入れ替えで実業団チームの合宿に向かう」

実業団……!?



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