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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第12章 夏のはじまり


学校に戻って、みわっちの顔を見て皆が驚いた。

手当ては、3年のマネージャーのセンパイにお願いすることにした。
……こういう時は、女同士の方がいいだろうという判断だった。

練習はすでに終わっていた。
今は皆、激戦の疲れを癒す時だ。
普段のように長々と残っている者はいなかった。

オレの様子に驚いたレギュラーの
センパイ達は誰一人帰らず、オレ達の帰りを待っていてくれたようだ。

「黄瀬、神崎は大丈夫か。ケガしていたようだったが……」

「今、センパイにみてもらってるっス。……オレのせい、なんス……」

黒子っちがいてくれなかったら。
たまたま、話を聞いてくれていなかったら。

寒気がする。

その後、センパイ達と少し事情を話して、笠松センパイや小堀センパイから注意を受け……ひたすら、皆に謝った。

「黒子っち……今日はマジで、ありがとう」

「黄瀬君、キミは人気者なんですから本当に気をつけないと……」

「猛省するっスわ……黒子っち、オレに何か用だったんスよね。どうしたんスか?」

「いえ、また次回でいいです。恋人の時間を邪魔するなんて野暮なこと、したくないので」

……もう、それどころではなくなってしまった。
傷ついた彼女を癒すには、どれくらいの時間が必要だろうか。

それに、オレにそれができるのか……
今回の一件はオレのせいなのに……

みわっちにあわせる顔がない。



部室から、手当てが終わったみわっちが出てきた。

「あ、黄瀬くん、お待たせ……」

顔色が悪い。ただでさえ色白な肌が真っ白だ。
当然だ……あんなことがあって、平常心でいられるわけがない。

「センパイ、ありがとうございました」

オレは深々と頭を下げる。
センパイは少し驚いた顔をしていた。

「みわっち……今日は、本当にごめん……」

「……どうして黄瀬くんが謝るの?」

「オレの周りにいた女達が……」

「……かえろ、ね?」


細く、冷たくなった手を握る。
ゆっくりと、手を繋いで帰路に着いた。





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