第61章 恋人達は愛に誓いを
気付いたら、マクセサンとみわは体育館から姿を消していた。
カントクは変わらずそこにいるのに。
もう日は暮れた。
まだ戻って来ない。
まだ。
まだ。
数分おきに時計を確認し、そのたびにイライラして、焦れる思いで練習に参加していると、集中していないと早川センパイに怒られた。
クソ。
あいつ、みわに手ぇ出してないだろうな……。
「集合ーーー!!!」
センパイの号令で集合し、カントクを囲んで整列する。
「お願いします!!」
「あー、皆に伝えておく事がある。
朝挨拶したマクセだが、暫くウチに通ってお前たちの練習相手になってくれるそうだ」
ざわつく部員たち。
アイツ、スパイじゃないんスか?
ホントに信用して大丈夫なんスか……。
「一時的とはいえ、ウチの全体的なレベルアップを手伝ってくれる大事なコーチだ。
失礼のないようにな」
「はい!!」
皆、目を輝かせてる……。
嫌な予感しかしないな。
「いやー、学校は冷えるねえ。
体育館の熱気がせめてもの救いかな」
ノーテンキな声でマクセサンが帰ってきた。
後ろにはみわがいる。
みわの表情に変化がないか、じっくりと観察した。
…………ぱっと見ではいつものみわだ。
じっとみわを見つめていると、視線に気付いたみわがこちらを見た。
目が合って、微笑んでくれる。
ああ、可愛いな。
「よし、最後は締めのミニゲーム!
早川の指示に従って各コートに入れ!」
カントクの号令で、再度解散した。
みわは相変わらずカントクとマクセサンと3人で何かを話している。
……この鬱憤はバスケで晴らすしかないっスね。
ミニゲームではあったが、今日はまずまずの仕上がりだった。