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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第61章 恋人達は愛に誓いを


「……うん、大体把握出来たよ」

もう日はとっぷり暮れている。

実に5時間ほど私の解説を交え、DVDを一通り観たマクセさんは開口一番、そう言った。

「次は君について教えて貰おうか」

「わたし、ですか?」

「君はバスケ選手だったのかな?」

「いえ、バスケはここのマネージャーをやる事に決めてから勉強しました」

マクセさんは驚いたように目を見開いた。

「……じゃあ、今までのスポーツ経験は?」

「お恥ずかしながら、中学でソフトテニスをしていただけです」

「へえ、どこの学校?」

自分の出身校を告げると、またまた驚いた顔をした。

「……なるほどね、少し納得できた……かな」

「あの、マクセさん。申し訳ありませんが、仰っている意味がよく……」

「優れた指導者の下に居た者は、それだけ多くのものを得ているということだよ」

「あの……?」

「君の中学時代の顧問は、国体選手の強化合宿などのコーチをしているね?」

「あ、はい。していました」

懐かしいな。
毎年夏休みの間の数日間は、国体強化合宿に参加するため、顧問は不在だった。

「君にはマネジメントのセンスがある。
レベルの高い指導者から自然に吸収していたのかな。
勿論、持ち前の才能もあると思うけれどね」

マネジメントの……センス……。

「君次第で、『黄瀬涼太』はもっと強くなるよ」

私が……涼太の力になれる……?

「彼が卒業後どのような道に進むのかは知らないが、君が居れば若い彼の可能性は無限大だ」

私が……?

「わ、私がそんな、恐れ多いです。そんな力、私にはありません」

「今の時点では、だね。
そうなりたければ、君も君自身を磨かなければならない。黄瀬君の力になりたければ、俺のところにおいで」

「マクセさんの……ところに?」

「まあ、いきなり言われても困るだろう。
その辺りの事は、源ちゃんを通して話をする事にするよ」

私が、涼太の力になれる可能性……。

「長々と済まなかったね。さあ、戻ろうか」


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