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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第61章 恋人達は愛に誓いを


マクセさんは、さっきからクスクスと笑い続けている。

何がそんなに可笑しいんだろう。

「何か面白い事があったんですか?」

「ああ、黄瀬君ってあんなデカい図体していても、高校生なんだなあって微笑ましくてね」

「?」

そりゃそうだ。
どう頑張っても私達は高校生。
マクセさんは一体何を言っているんだろう?

「んじゃ源ちゃん、この子借りるよ」

監督の事を"源ちゃん"と呼ぶだけあって、かなり古くからの知り合いらしいけど……。

「えっ、あの」

頷いた監督を背に、手を引かれて体育館を出た。




「あ、あの、マクセさん? どちらへ……」

「黄瀬君が映っている映像はあるかい?」

涼太が?

「はい、あります。練習風景と試合中、どちらも」

「さすがだね。どこに置いてある?」

「こちらです」

歩き慣れた廊下を進み、歴代の映像媒体が保管してある資料室へと足を踏み入れた。

「おー、これは壮観だね」

そうだろう。
海常バスケ部が創設されてから今までの記録が全てこの部屋に眠っている。

「すみません、貴重な媒体ですので、ここでお待ち頂けますか」

いかに監督の知り合いと言えど、ここに気軽に足を踏み入れさせる訳にはいかない。

ここに監督がいらっしゃって、許可を出して下さるのなら別だけれど。

「了解。みわちゃんはさ」

「みわちゃん……」

なんかデジャヴ。

「失礼。さっき黄瀬君がそう呼んでたからね」

「……はい、なんでしょうか」

「部員のこんなプレーが映っている映像が欲しいとリクエストしたら、この中から厳選して出してこれるかい?」

「はい、可能です」

「参ったな、即答か。じゃあいくつかリクエストしていいかな。……」

私は、そのリクエストを受けて、マクセさんご希望のDVDを集めた。


「はい、これで全てです」

「よし、じゃあ観れる部屋に連れて行って」

「これからですか?」

「それ以外にあるかい?」

「……承知いたしました」

監督も了解済みのことなら仕方ない。
作戦会議に使う会議室を案内した。


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