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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第61章 恋人達は愛に誓いを


「あ、君が黄瀬君の専属トレーナー? 声掠れてるけど大丈夫?」

枕サンだかマクセサンだかなんだかもうどうでもいいけど、一直線にみわへ向かって行く。

なんでだよ。
他にもマネージャー、いっぱいいるだろ、ほら。

「おはようございます。神崎です。
すみません、……ちょっと声が嗄れてしまって。あの、専属トレーナーというのは……?」

みわは丁寧にお辞儀をして挨拶した。

「アレッ、間違えた?全雰囲気がそうかと思ったんだけど……黄瀬君のトレーニングメニューを作ってるのは、君じゃない?」

「あ、私です」

「だろ? ビンゴ!」

マクセサンは嬉しそうにみわの肩を抱いた。

「えっ、あの、ちょっと」

「オレね、マクセって言うの、よろしくね。
この間黄瀬君に名刺預けておいたんだけど、気が向かなかったかな?」

「あ、…………すみません、なかなかタイミングが分からなくて……」

なんでオレを庇うんスか。
オレから受け取ってないって、言ってよ。

「いつでもいいよ、可愛い子の相談なら24時間受付しちゃうから」

「あ、ありがとうございます……」

困ってんだろ。
触んなよ。
触んじゃねーよ。

「みわ!」

ふたりに駆け寄って、みわの手を引いた。

「みわ、テーピングお願い」

「あ、はいはいっ! マクセさん、すみません」

ぺこぺこと謝ってみわはオレの元へやってきた。

「もー黄瀬くん、あんな風にしたら失礼じゃない」

様々なサイズのテープが入っているプラスチックのケースを持ってきて、オレの足を触りながらぶーぶー文句を言っている。

「涼太って呼んでよ、みわ」

「……え?」

「学校でも、涼太って呼んで」

「え、それは……やっぱり学校では、皆と一緒にした方がいいかなって……」

「一緒じゃなくていいじゃん。
みわはオレの特別なんだから、涼太って呼ぶのが普通じゃないスか?」

そしたら、変な虫もつかなくなるだろう。

そう思ったのに、結局みわは首を縦に振らなかった。



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