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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第12章 夏のはじまり


試合後の調整2日目。

昨日夜、無事に帰り着いたとみわっちから連絡があった。
丸1日会ってなかっただけなのに、すごく長く感じた。

心なしか、体育館に向かう足が軽い。

体育館に着くと、みわっちが制服姿でどこかに出かけるようだった。

「みわっち、どっか行くの?」

「あ、黄瀬くん。遠征で消費した消耗品とかの補充に行ってくるんだ」

「そっか。気をつけてね!」

「はーい!」

マネージャーは、忙しい。
そのお陰でオレたちがプレーに集中出来るんだけど。

一緒に居られないのは少し残念だけど、今夜からはみわっち貸し切りだ。我慢っスね。

3時間くらい経っただろうか。
駅前のスポーツショップを中心に買い物をするだけなのに、遅すぎないか?

「黄瀬、神崎戻ってきたか?」

「まだっス。ちょっと遅いっスよね。いつもなら遅くても2時間ちょいくらいなのに……」

なぜだか、嫌な予感がした。

「ちょっと着信ないか見てみるっス」

スマートフォンの画面を見る。
メールや着信はないようだ。
みわっちに電話をかけようとして……

スマートフォンが着信を知らせた。


【着信:黒子っち】

黒子っち? こんなタイミングで……

「もしもし、黒子っち? ごめん、今……」

『神崎さん、学校にいますか?』

切羽詰まった声だ。珍しい。

「いや、買い出しに行ったまま帰ってこなくて今、電話してみようと思ってたんスよ。もしかして会ったっスか?」

『今、海常に向かってたんですが……すれ違った海常生の女子達が、神崎さんの事を話してて……ボクには気づいてなかったみたいで』

胸がざわつく。
何だ?

「何? 何て言ってたんスか?」

まさか。
嫌な予感に、背筋が冷える。

『……アイツ、生意気だって。
二度と黄瀬君の前に姿出せないように男の知り合いに声かけて……輪姦(まわ)すって』

「なっ……!!?」

『駅前のカラオケボックスみたいです。ボクも今向かっています。黄瀬君も来てくだ……黄瀬君?』

やめろ。
やめろ。

「オイ、黄瀬!?」

センパイ達の声が遠くに響く。
頭が真っ白なまま、オレは走り出していた。


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