第61章 恋人達は愛に誓いを
そろりそろりと涼太の部屋のドアを開ける。
涼太は既にベッドへ入っていて、目を閉じていた。
当たり前だ。私が寝ろって言ったのも同然なんだから。
深めの呼吸をし、ベッドに上がる。
布団には入らずに、そのまま膝立ちで移動して涼太のすぐ横で止まった。
涼太はまだ眠りに入ってはいない。
でもきっと、自分を抑えるために、彼なりの配慮で目は開けないようにしているんだろう。
閉じられた瞼も、僅かに開いた唇も、鍛えられて太くなった首も、逞しい腕も、なんて格好いいんだろう。
思春期の性欲を抑えろという方が、難しい相談。
ごめんね。
心の中でひとつ謝って、……涼太の両頬に手を添え、唇に唇を寄せた。
一瞬、驚いたように涼太が硬直したのを感じる。
啄むように唇を動かし、彼の中に侵入しようと、僅かに開いている唇の隙間に舌を差し込んだ。
「ん……みわ……?」
涼太、これはお休みなさいのキスじゃないの。
涼太が薄目を開くのと同時に彼に跨り、更に深く唇を重ねた。
「……りょうた……」
未だ戸惑っている涼太の舌に、不器用に絡める。
涼太がいつもしてくれるみたいに、上手くできない。もどかしい。
好き。
大好き。
こんな事して、引く?
「……っ、は……」
自分から仕掛けておいて、興奮で息が上がってしまう。
もう、いっぱいいっぱいだ。
舌を動かすたびに、ピチャ……と音がするのが恥ずかしい。
お願い、涼太。受け止めて。
必死のキスに集中していると、涼太の手がするすると後頭部と腰に寄せられる。
少し逡巡を感じさせる間があってから、ギュッと力が込められた。
布団越しに身体と身体が密着して、内部の熱はどんどん高まっていく。
ずっと私の舌を受け入れてくれていた涼太の舌が、いよいよ意志を持って私の中に入ってくる。
弱いところを弄るように動く舌に、あっという間に翻弄されてしまう。
「んッ……ぁ……」
気持ちいい。
涼太の頬に添えていた手を離し、涼太の部屋着のボタンに手をかけた。
「っ……どーしたんスか、みわ」
「涼太、しよ……?」