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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第61章 恋人達は愛に誓いを


カサカサと袋を開けると、石畳状のチョコが6粒、これまた可愛いトレーに入っていた。

「すげぇっスね、これ生チョコ?」

「あ、よく分かるね。そうなの。
ピック、横につけてあるから使って」

生チョコって家で作れるのか……。

手が汚れないよう、可愛いハートのピックがついている。

なんか、勿体無いな。手作りチョコ。
こんなにも食べるのを躊躇われるチョコは初めてかもしれない。

大事に食べよう。

「んじゃあ早速、1粒……」

ごそごそと袋を探ったら、みわに制止された。

「あ、待って涼太」

「ん?」

みわは慌てたようにピックと袋を取り上げてしまう。

「どしたんスかさっきから」

今度はみわがカサカサと袋の中に手を入れた。

そして、チョコの刺さったピックを取り出して……



これはまさか。


「あ、あの、……はい、あーん……」


顔を真っ赤にしたみわが、まさかの『あーん』攻撃を仕掛けてきた。

まさか、食べさせて貰えるとは。

この間のパンケーキ屋では散々渋ったのに……


素晴らしい日だ、バレンタインデー。


「嬉しいことばっかりっスね」

「あの、目瞑って」

「ん、こうスか?」

「いいって言うまで、あけちゃダメだよ」

折角照れまくりの可愛いみわが見れるのに勿体無いけど……。

なんか、仕掛けでもあるんスか?

「あーん」




パクッとチョコを頬張ると、すっと溶けてふんわりとした甘さが口中に広がる。

「ん、ウマ……」

目を瞑ったまま感想を言おうとしたオレの唇に、柔らかいものが押し当てられた。


それは、まさかの。


「?!」

驚いて、許可を得ないまま目を開けると、首筋まで真っ赤にしたみわがオレに……


キスをしていた。


「あッ、開けちゃダメだって……!」

「みわ」

「は、はい、 残りのチョコ! 良ければ食べて!!」

バサッと残りのチョコを手渡されて、みわは一目散に逃げて行った。

マジか。

思ってもみなかった、みわからのキス。


「……反則っスわ……」


チョコよりもずっと甘い感覚に、痺れた。



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