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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第60章 お互いの


"黒子っちに相談したいことがあるんだけど
空いてる日ないスか?"

誠凛も今頃、休憩中だろうか。

一度、黒子っちと話をしたい。

オレがこんな風になってしまう理由を知りたい。

向こうも忙しいだろうから、いつになるかは分かんないけど……。

ブブ……と、黒子っちからの返信が届く。
あまりの早さに驚いた。


"今晩そちらに行きます"


その内容に、二度驚いた。






「黒子っち!」

改札口から出てくるジャージ姿の黒子っちに手を振ると、彼も気付いたようでこちらに向かってくる。

「こんばんは」

「黒子っち、今日も練習だったんスよね?
わざわざ来て貰って、ごめん」

「……キミの様子がおかしいと感じたので、早めの方がいいかなと思っただけです」

……オレの様子が、って……
フツー、あのメール1本で気づくっスか?

「ありがとう、黒子っち」

「寒いです。とにかく、お店に入りませんか」

「今日はちゃんとご馳走するっス」

「……ボクはあまり食べられませんので、黄瀬君の入りたいところでいいです」

スポーツマンの男子高校生とは思えない発言だ。

まあ、そこが黒子っちらしくていーんスけど。

「じゃあ、そこの洋食屋にしよっか」

黒子っちが微笑んだ。


ゆっくり話が出来そうな店にした。
実際、オレ達の奥の席に1組客がいるだけだった。

「……で、神崎さんの事でなんの相談なんですか」

「え、オレ、みわの事だって言ったっスか?」

「……いや、そうかなと思っただけです」

「黒子っち、みわといつ会ったの?」

「あれは、いつだったでしょうか……
ああ、黄瀬君が傘も差さずにそこの道を歩いていた時ですよ」

みわと全く同じ説明。

「オレ、黒子っちと隠れて会ってたのが嫌で、みわに酷い事言っちゃったんスよ……」

「別に隠れて会ってた訳じゃないですよ」

「でも、オレ聞いてなくて」

「なんか、ボケっと考え事でもしてたんじゃないですか。
キミが何か悩んでいるのに、力になってあげられないと相談されましたから」

「え」

「更にあんなずぶ濡れの中、傘も差さずに歩いて、どれだけ神崎さんを心配させれば気が済むんですか」

普段の黒子っちからは想像出来ないペースで話が進む。

「黄瀬君は、バカなんですか?」



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