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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第59章 すれ違い


窓の外が明るい。
という事は、オレは眠っていたのか。

……風呂を上がってからの記憶がない……。

身体が温かい。
思ったよりも、疲れが残っていない。
あんなに怠かったのに。

ふと鼻先を擽る、甘く優しい香り。
確かめなくたって、それが誰の香りか分かる。

胸元に潜り込んでいるその身体を少し強めに抱き寄せた。





「黒子くんのお誕生日会?」

昨夜の事を陳謝してから、今月末のイベントについてみわに相談する。

「皆で集まって、バスケしようってことになってるんスよ」

「そうなんだ! ……良かったね」

また皆でバスケができるという事がこんなにも嬉しいなんて。

オレも、今からワクワクしている。

「ストバスコートは東京だから近いんスけど、みわも来るよね?」

「……え、私が?」

「折角の機会だし、皆に紹介しようかなって思って」

「いい! いい! 久しぶりのキセキ水入らずなんだから、邪魔者はいない方がいいよ。皆で楽しんで来てくれればそれでいいから!」

「えー、キセキ水入らずって……そんな事言わないでよ……。
オレは、絶対に来て欲しい」

「……あ、私はその日……あきと約束があるんだった……」

「げ、マジっスか。もっと早く言えばよかった」

「ごめんね。楽しんできて」

「もし予定が変わって来れるようになったら、来て欲しいんスけど……」

皆にみわをちゃんと紹介したい。

「うん、分かった」





……最近は、みわもここを出て行くような話をしなくなったし、少しホッとしていた。

オレの手の中からすり抜けて行ってしまうようで、それが怖くて。

酷い独占欲だ。

「涼太、そろそろ出る時間だよ」

「お、はいはいもう行くっスよ」




早くオトナになりたい。



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