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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第58章 すべて受け止めて


再びふたりでベッドに入ったのは、もう日が変わろうという時間だった。

「明日でもう、冬休み終わるんスね」

「そうだね、なんかあっという間だったね」

それでも、色々な事があった。

涼太の事、信用しているとか言っていて、少しの事で揺らいで。
ザワザワして。

もっと、強くなりたい。
大切なひとを守れるくらいに。

涼太の胸元に、そっとすり寄った。
涼太が髪を撫でてくれる。

「……涼太、ごめんね」

「なんのこと?」

「……なんでもない」

「……オレも、謝らなきゃならない事があるんスよ」

「なあに?」

「あの……写真。みわの横顔が、出てるやつ」

「あ、うん」

自分が写っているものは怖くてしっかりとは見れなかった。

「オレ、あの後監督に、みわの部分をもっと光で飛ばして貰うよう、言っちゃったんス。だから、実際使われる写真は、みわとは判別できないかも……」

「そうなの?」

それなら良かった。
正直、あんな素人丸出しの写真、雰囲気をぶち壊したらどうしようかと思ってたから。

「……ごめん、勝手に。他の人間にあんな顔、見せたくなかった」

「そ、そんな変な顔になってた?」

「違うっスよ……みわがあんな色っぽい顔するから」

「色っぽいって……涼太に恋しろって言うから、それならできるかなって思っただけだもん……」

「オレに恋してる顔を他の人間に見せないで」

涼太は時々、よく分からない事を言う。

「うん、気をつける……ね?」

「みわ、よく分かってないで返事してるでしょ」

「あ、ばれた……?」

「そういう子は、お仕置きっスよ」

ガバッと涼太に組み敷かれ、部屋着の裾から手が侵入してくる。

「わあ! も、もう今日は、むり、だよ!」

「……みわ、怖かった?」

「……あ……」

……後ろから、というのは嫌な記憶がある行為だった。

でも今日、涼太の愛を受けて……信頼しているひとに愛されて……少しだけ前進出来た気がする。

「怖くなかった。すごく……きもち良かった、よ」

その発言は素直なものだったけれど、涼太に火を再びつけてしまったらしい。

結局深夜まで更に濃密な時間を過ごすことになった。




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