第58章 すべて受け止めて
キスをしていた唇が、首筋を這う指を追いかけるように身体に沿って動く。
「んぅ……っ」
腰を支えていたもう片方の手が秘部に触れると、くちゅっと淫らな水音を響かせた。
「あっ、まだ……洗ってないっ……」
その声を聞いた涼太がちらりと私を見、口元に微笑みを保ったまま、ラックに立てかけてあるボディソープを手に取った。
肌に優しいから、と涼太が買ってきてくれた、泡で出てくるタイプのボディソープ。
いつものドラッグストアでは見たことのない商品だった。
数回ポンプを押してこんもりの泡を手に乗せた涼太を見て、あれきっと高いのに、勿体無い……!
なんて考えた私はかなりのマヌケかも。
それどころじゃなくなるのなんて、分かりきっているのに。
涼太がキュッとシャワーのレバーを捻ってお湯が止まると、シャワーヘッドに残った水滴が落ちる音以外には、周りの音が一切なくなった。
泡が優しい手つきで肌に乗せられ、彼の手で滑らせてゆく。
それがどんなマッサージよりも気持ち良くて、普段彼のマッサージ・ケアを担当している自分としては、なんだか悔しい気持ち。
一体何を張り合っているのか……。
「ぁ」
敏感な場所に差し掛かると、愛撫を織り交ぜてくるのが声が抑えられない程気持ち良くて。
唇をぎゅっと噛み締めたまま、涼太の背中に腕を回した。
「みわ、わたあめみたいになった」
足のつま先まで私を泡だらけにした涼太は、そう言ってぎゅっと抱擁した。
泡でぬめり、肌と肌が擦れ合うのが堪らなく気持ちいい。
次第に、自分から涼太に縋り付くように身体をなすりつけてしまっていた。
涼太だって、わたあめにしてやった。