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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第10章 接触


脅されて、なんて言ったら黄瀬くんを巻き込んでしまう。
もしトラブルになって、バスケに影響が出たりしたら……

「……やっぱり洗剤撒いてもニオイが残る……ごめんなさい、恥ずかしいから帰って……」

もう、泣き出したいくらい恥ずかしい。

「みわっち、ホントにもう隠し事ない?」

「うん……でも、今後どうしたらいいかは、悩んでるところ……引っ越しても、きっとすぐまた追いかけてくるだろうし……」

「……みわっちのお母さんは、どこまで知ってるの?」

きしり、心臓が軋んだ。

「ん……前に騒動になった時は、ヤツが"みわに誘惑された"って言って、それを信じてたみたいだし……それから、おばあちゃんのところに住んでたから、もう殆ど会ってない」

泣きながら説明しても、お母さんは信じてくれなかった。

「信じてもらえないって、悲しいね」

「そうっスよ。だからオレも、オレを信じて、全部話して欲しいんスよ」

信じてるよ。黄瀬くん、信じてる。
でもそれ以上に、あなたを巻き込みたくない。

「家族に、ちょっと相談してみるね」

「オレ、本当役立たずっスわ……」

「そんなことない。黄瀬くんのおかげで、私、毎日本当に楽しいの。……生きてて、良かった」

「みわっち、好きっスよ」

「えっあ、ありがとう……私も………………すき、です」

何これ、死ぬほど恥ずかしい。
今まで散々キスとかしておいて、私ハッキリ好きって言ったことなかった!

「私、海常バスケ部の喜びが自分の喜び。試合に勝つためなら、なんでもするよ。だから黄瀬くんも、私なんか気にせず集中して欲しいの……」

「大丈夫っスよ。そこは心配しなくても、これ以上ないくらい集中してるっス。オレも今、バスケが楽しくて仕方ないんスわ」

「良かった。今、向かってるところは一緒だね。こっちの問題は私がなんとかするから、大丈夫……どうしてもの時は、相談するかもだけど」

「本当に、本当にちゃんと話してくれる? 信じてるっスよ。一人で頑張ってたら、壊れちゃうよ」

「ありがとう。大丈夫。私もいま、頑張りどきだから」

「……はぁ……その眼の時のみわっちは、言いだしたらきかないっスね」



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