第58章 すべて受け止めて
貰った写真を見せただけで、何故か涼太がキスしてきた。
「なななんっで、キス……!」
「いや、カワイー事するなぁ、って……」
「な……っ!」
なんだかとても恥ずかしい事をしたような気がする。
コソコソと陰で写真を貰って……って、まるでファンの子みたいで。
……でも、私は誰よりも黄瀬涼太を応援しているから。
「……おふろ、はいってくる!」
あの綺麗な目に見つめられるのが耐えられなくて、パッと振り払い洗面所へ駆け込んだ。
「はぁ、はぁ……」
ドキドキする。
あんなに恥ずかしい格好で恥ずかしい事をしているのに、キスひとつで、手を繋ぐのですらドキドキが止まらない。
もしかしたら、私、どこかおかしくなっちゃったのかもしれない。
ガラリと洗面所のドアが開いた。
「あれぇ……一緒に、入るんスよね?」
それは、ちょっと意地悪をしてくる時の涼太の目。
「もう、ひとりで入る……っ!」
腕を掴まれたと思ったら、次の瞬間には彼の腕の中だった。
また、熱い唇に一瞬息が止まる。
このひとの唇は、どうしてこんなに熱いんだろう。
「……っ」
このひとの舌は、どうしてこんなに私の欲望を叩き起こすんだろう。
「んむ……ん」
涼太の手が、部屋着の裾から入り背中を伝う。
「あっ……」
ゾクゾクするような甘い快感が走り、もう力が入らない。
どうなってるの、私の身体。
「ブラ……つけなかったんスね」
「だ、だってお風呂に入るから……っあ」
「すぐに触れていいっスね……」
涼太が、まるで果実を啄むように美味しそうに乳首に吸い付くのを見ると、下半身がジンジン疼いて仕方がない。
「りょうた、ぁ、や……っ」
涼太は性急に自分の服を脱ぎ、私を愛撫しながら脱がせた。
「まって、ここじゃ……!」
抗議をしようとした唇は塞がれ、そのままバスルームへ縺れ込む。
「あ……っ、あぁ……」
バスルームのドアがピシャリと閉まった。