第57章 透明な君
絶頂を迎えたみわは、声も出さずに涙を零した。
潤んだ瞳を、オレに向けている。
これは多分、軽蔑のまなざし。
先ほどからオレがしていることはレイプとなんら変わりない。
みわをずっと苦しめてきた、それと同じ事をしている。
無理矢理に身体を開かせる行為は絶対にしてはいけないことなのに。
抑えられない。
でも快感に震えるつま先が、涙に濡れた瞳が、睫毛が、赤くなった乳房が、ひくつく腹筋が、何もかもが、キレイで。
透明な君を、真っ黒なオレの欲望で塗り潰したい。
そうしないと、すうっと消えて、オレの前からいなくなってしまいそうで、とてつもなく、怖い。
ぴくぴくと痙攣しているみわの太ももを開いたままで押さえつけ、自分のバスローブの前を解放させた。
「……はぁッ……涼太……?」
前貼りなんて、勃起した瞬間に剥がれ、床に落ちていた。
真っ黒なオレで、汚したい。
水着をずらし、ピンク色の秘部を覗き込む。
「やッ……だめ! いや! 涼太!!」
みわが物凄い勢いで上半身を捻った。
ガタガタガタンッ!
あまりの勢いにオレも振り払われ、派手な音を立て、それほど大きくないテーブルからみわは転がり落ちた。
「あ、あいたたた……」
「みわ、大丈夫っ!?」
慌てて手を出したが、みわは自力で立ち上がった。
元はと言えば全部オレのせいなのに、手を差し伸べて助けてあげた気になるなんて最低だ。
さっきから、最低なことしかしていない。
「大丈夫……私、着替えてくる」
乱れたバスローブの前を合わせ、いつの間にか脱げていたスリッパを履くこともせずに、みわは走って行ってしまった。
……最悪だ。