第57章 透明な君
強く乳房を揉まれるたびに、ガタンガタンとテーブルが揺れる。
「涼太……涼太、やだ……っ」
握り潰されるのではないかと思ってしまう。
こわい。
「あ、やッ……ア、あぁ」
もう、痛いのか気持ちいいのか怖いのか、訳がわからない。
なんとか逃れようと足をバタつかせると、両足の間に涼太が入ってきて閉じることもかなわなくなってしまった。
涼太は何も言ってくれない。
興奮しているのか、涼太の顔も紅潮しているのが分かる。
「やだ、離してっ……なんで、なんでぇ」
どうして彼はこんな事をするの?
何か、怒らせてしまった?
片胸が解放されたと思ったら、今度は水着の上から陰核を抓ままれた。
「ひぁッ……!」
痛くされたらどうしようと、身体が勝手に震え始める。
それなのに、陰核を弄る指はいつものようにとても優しかった。
「……ッあ、ああっ……!!」
乳首を抓まれ、涼太が顔を寄せると、熱い舌でべろりと舐めまわされる。
涼太が、私の胸を舐めてる……アソコを、触ってる……。
いやらしく動く舌が羞恥心を刺激して、さっきまで感じていた痛みが嘘のように快感に変わっていった。
「やッ、ああっ、ッあ」
快感を与えられているのに、涼太が、何を考えているのかが全然分からなくて、こわい。
…………Sariさんと、話したから?
考えられる事と言ったら、それしかない。
涼太は、酷い目に遭ったんだ。
彼女が言っていた事だけを聞いても、正気とは思えない仕打ちを受けていた。
それが、呑気に一緒に仕事場に来て、面倒をかけて、邪魔をして。
涼太を、怒らせた。
嫌われてしまった……?
ゾクリと背筋に走る戦慄。
先ほどまでの得体の知れない恐怖より遥かに怖かった。
きっとそうだ。どうしよう。
私が、怒らせてしまった。
謝らなきゃ。
許してもらえないかもしれない。
どうしよう。
どうしたら。
「りょ、涼太……っ、わたし」
謝ろうとしたのに、乳首が強く吸い上げられ陰核をグイッと押し潰された途端、絶頂感が込み上げてくる。
「あ、あぅ……だめ、だめぇ……それッ、いっちゃ ……う」
謝らなきゃいけないのに。
淫乱な私の身体は、感じる事をやめてくれない。
「……ぁ、やぁ……も、……アァ……!」
頭が真っ白になり、何かが弾けた。