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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


凄い力で引っ張られた。

一体、何が起こったのかが分からない。

カチャリと、カギを閉めた音。
外界と断絶されたようなその音に、訳もなくゾッとした。

私の控え室と同じ造りのこの部屋は、ソファやテーブル、小さなドレッサーがあるのみだ。

ドレッサーの上に、涼太の鞄が置いてある。

ソファの上には、薄いブランケットが乱れた状態で置いてあった。
休憩の時に寝ていたのかな。

なんて思わず呑気な事を考えてしまったけど、涼太の様子がおかしい。

「涼太……どうしたの? なんかあった?」

と言っても、この数時間は一緒に居たのだけれど……。

抱きしめられたまま、時間が止まったかのよう。
腰に回された手が、まるで締め上げるように力強い。

「ね……いたいよ……」

その声に反応して、手がピクリと動く。

ふっと力が抜けたと思ったら、長い指はバスローブの紐をほどきはじめた。

「え……っ?」

紐がはらりと床に落ち、前を開くと、何もつけていない胸に触れる。

「ぁ……っ」

さっきまでライトに照らされ、身体が熱くなる程に集中していたからか、自分でも分かるほど感度が上がっている。

「ん、……あッ」

無遠慮に先端を抓まれると、じわりとした快感に襲われた。

何、なんで?

グイッとバスローブを引っ張られたと思ったら、次の瞬間にはテーブルに押し倒されていた。

硬い天板が、背中に当たる。

「いたっ……涼太……?」

私を見下ろす涼太は、いつもの優しい笑顔じゃない。
切羽詰まったような、怖い顔。

「ね、どうしたの涼太」

やっぱり様子が変だ。

起き上がろうとした途端、テーブルに押さえつけられながら両手で乳房を揉まれた。

「あぅ……ッ」

乳房に鈍い痛みが走る。

涼太の手の中で、形が変わるほど強く、激しく揉みしだかれた。

「いっ……いた、い……やめっ、アッ」

次第に、痛みと快感がない交ぜになったものが凄い勢いで責め立ててくる。

こんな触れられ方をした事がない。
いつも、いつもは壊れ物を扱うような優しい愛撫をしてくれるのに。

こわい。

目の前の涼太が、知らない男のひとに見える。

いつも、優しくされていたから分からなかった。

涼太は男性だ。
力では到底敵わない。



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