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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


「おっ、主役おふたりさん、お疲れ様! いいの出来てるよ〜!」

薄暗い中で複数人が画面に向かっている姿というのは、なかなか怖いモノがある。

「先に、使えない写真除外してるから休憩してきていいよ。呼びに行かせるから。着替えも済ませておくといい」

「そうスか? じゃあ、お言葉に甘えて」

みわの手を引き、控え室に向かった。




廊下を歩いている時も、みわは俯いて無言だ。

足取りはしっかりしているので、気分が悪いわけではなさそうだけど…。

……やっぱり気まずいんスかね、オレといるの……。

みわの控え室は、オレの控え室の向かい側だ。

「じゃあ、また後でね」

みわはすっとオレの隣から離れて、自分の控え室のドアノブを握った。

先ほどは肌が触れ合うほど近くに居たのに、なぜか今は手が届かないほどに遠くに感じる。

思わず背後から抱きしめてしまった。

「ちょッ、りょ……涼太……?」

「……行かないでよ……」

「……え?」

フラッシュを受けて輝き続けるみわが、どこか遠くに消えてしまうような気がして。

今、捕まえておかなければ永遠に手に入らないような気がして。

焦る。

「どうしたの? 着替えるだけだよ……?」

自分でもビックリするほど強い力で抱きしめてしまっている。
意識すればするほど力が入って、離してあげる事が出来ない。

なんだ、この気持ちは。

「わぁっ……!?」

そのまま、みわをオレの控え室に引きずり込んだ。



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