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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


ちょっと待て。
え?

「みわ?」

待て、人と同じ顔に出来る忍術とかあったっけ?
いや違うだろ、落ち着け。

「はい……」

恥ずかしそうにそう答えたのはみわだ。
間違えようがない。

「なっ……何してんスか?」

ボソボソと小さな声で話しかける。
カメラはそんなに寄っていない。

「ち、違うの……! 見学で、それで、監督さんで、Sariさんが」

みわも相当混乱しているようで、もはや何を言っているのか分からない。

「えっと、みわの意思でここに居るっていう事は間違いないんスか?」

Sariの名前が出た以上、また強引にやらされているのかもしれない。

「うん……私に出来る事があれば、って」

顔をこれ以上ないくらいに真っ赤にしたみわの発言は意外すぎて。

一体何があったんスか。

「じゃ、じゃあまあ……話は後でゆっくり聞くとして……」

「黄瀬君! みわ! 準備OK? 始めるよ!」

「オッケーっス!」

なんで監督はいつの間にかみわを呼び捨てなんだろう。

監督に届くよう返事をすると、腕の中のみわがビクンと震えた。

「……大丈夫だから」



髪にキスを落とし、みわの身体をこちらに反転させると、なんともあられもない姿というか……。

「……あまり見ないで欲しいんだけど……」

……みわがこの格好になるのをOKしたっていうのが意外すぎるっス……。

みわの背中に指をなぞらせると、感じているのか、僅かに背を反らせた。

「っ……」

思わず少しだけ漏れた吐息。
緊張のせいで、感度は鈍くなっている。

指をなめらかな背中に這わせたまま、みわの柔らかい左肩を食み、みわの後ろのカメラに目線を送る。

息をするたびにみわの匂いで満たされて、気分が高揚してきた。

バシャッとシャッターの音が響く。
このシャッター音が、気持ちいい。

監督からは、撮影直前に「人肌が恋しくなるような熱い画」が欲しいと言われた。

ベッドに入るまで色々なポーズを考えていたが、相手がみわならば余計な計算は必要ない。

オレ自身が、みわの温もりをこんなにも求めているから。





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