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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


一体何がいいのか、何が起こっているのか把握出来ずにいた。

「あのSariさん、私今日はお先に失礼させて頂いてもいいですか?」

そそくさとその場を去ろうとする私の首根っこを掴んで、Sariさんは微笑んだ。

「みわちゃん、人助けと思って手伝ってくれない?」

人助け?
何か困っている事があるんだろうか?

「私で出来る事なんですか?」

「そう。むしろ、ここの中にいる人間の中で貴女しか出来ないこと」

……そんな大それたこと。
本当に何か私に出来る事があるの?

「キミ、みわ。黄瀬君の相手役をやって欲しいんだ」

「…………え?」

相手役を?
私が?

いや、確かにさっき、涼太とSariさんの絡みなんて見たくないって言ったよ?

「どうかな? キミにイメージがぴったりなんだ」

ど、どうかなって言われても……。

「でも私、モデル経験なんてありません。モデルですらないんです」

モデルどころか、普段写真に写るのすら避けているのに。

「今回はさほど経験は必要ないよ。絡むって言っても、黄瀬君のリードで黄瀬君を受け止める役どころだ」

涼太を受け止める。
なんだか途端に卑猥なものに思えてしまった。

「どうかな? 実は元々相手役だった子か、新幹線内でカンヅメになっちゃってね」

そう言われて見せられた紙には女性の写真。

水着姿でこれ以上ないくらいに胸元の凶暴な膨らみを強調している写真だった。

凄い胸。
胸って、セックスシンボルなんだと改めて実感させられた。

思わず自分の小さな胸を掴んでしまう。

「あの、私こんなにスタイル良くありません……」

「はは、大きな胸は必要ないよ。欲しかったのは透明感だ」

「透明感?」

そういえば、いつからだったか笠松先輩は黒子くんのことを『透明少年』と呼ぶようになっていた。

それと同じような感じだろうか?

「キミが、ピッタリなんだよ」

真っ直ぐとそう言われて、何故か手伝おうと思ってしまった。
無理だって分かってるのに。

先ほどの涼太に、すっかり誘惑をされてしまったのかもしれなかった。



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