• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


「Sariさん到着しましたー!」

スタッフの声が響いた。
彼女もじきにスタジオ入りするだろう。

Sari。

あの夜好き放題されたのは許していないが、幸いにも薬の症状が残る事はなかったし、もう過ぎた事だ。

それよりも、みわを傷付けた事の方がずっとずっと許せない。
考えただけで脳みそが沸騰しそうだ。


「黄瀬君、休憩入りまーす!」

どうやらオレも休憩していいらしい。
一旦控え室に戻ろう。

今はSariの事なんかよりもみわの事を考えていたい。
すかさずスタッフが乱れたベッドを直す。

入り口の所で少し頬を赤くしたマネージャーからペットボトルの水を受け取った。

「黄瀬君、すっごく色っぽくて良かったわよ!」

「そっスか? ドーモ」

散々お預けされているせいで、みわの妄想なら今すぐにでも出来る自信がある。

……いや、お預けといってもたかだか2、3日だろと言われそうだけど。

何度も言うけど、ヤりたい盛りの男子高校生には十分長い期間。
更にあんな事があった後だ。
どれだけ熱を交わしたって足りない。





控え室に入ると、集中と緊張の糸が切れてドッと疲れが出る。

試合とはまた違う緊張感。
モデルの仕事も嫌いじゃない。

バスケとは違って、いかに魅せるか。

たかが広告、されど広告。

素晴らしい写真はそれだけ自然と人の心に残る。
やるからには、やり遂げたい。

恋する香水。

「恋」を知らなかったあの時のオレがやっていたら、どうなっていたかな。

「恋」も「愛」も全てみわが教えてくれた。

今では、彼女がなくては生きていけない。
それ程までに大切になっていることに、自分でも驚きを隠せなかった。

足を投げ出してソファに座り、水をひと口飲む。
休憩は30分位だろうか。
今日は朝も早かった。
少し眠ろう。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp