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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


「黄瀬君! ちょっと何それ!」

スタイリストさんとメイクさん、衣装さんの悲鳴が響き渡る。

何をそんなに驚いているんだ……と思って自分の身体を見れば。

「あ」

数日前にみわが付けた印が首筋から内腿まで、くっきりと残っていた。

あまりに当たり前になっていたので、特に気に留めていなかった。

ヌード撮影でこれは……まずいっスね。
いやだって、オレ聞いてなかったし……。

愛しい彼女の唇が辿っていった軌跡。
見ているだけでこんなに興奮するものはない。

そうは言っても、いつもみわがつける時は吸う力が弱くて、こんなに何日も濃く残ることはなかったんだけど。

彼女の想いの強さを感じて、更に嬉しくなった。

「ちょっと……彼女に言っておいてよねぇ。メイクで消えるかな……」

「いや、まさかヌードとは思わなかったんスよ……」



「いいね、そのままいこう!!」

突然聞こえたその声に、スタッフ一同が驚いて振り向く。

「えっ……監督、このままですか?」

コンシーラーを構えたメイクさんが怪訝そうな顔をして問う。

「色っぽくていいよ。そのままいこう」

何がそんなに監督の目を引いたかは分からないが、修正はしない方向になった。

「まあ、監督がいいなら……じゃ、黄瀬君こっち! 前貼りするよ!」

「は、ハイ……」

前貼りって、あの、あれっスよね?
前、隠すやつ。

「大丈夫、男性スタッフがやったげるから!」

うっ。
黄瀬涼太、人生初の前貼り体験っス……。









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