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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


「みわちゃんは今、涼太と一緒に暮らしてくれてるんでしょう?」

「あの、逆で……私が、涼太くんと一緒の家に住まわせて貰ってるんです……」

「あの子凄く顔色良くなったし、なんか生き生きしてる。姉としてはそれが嬉しいのよ。ありがとうね」

「いえ、そんな、お礼を言われるような事は決して」

お姉さんは言葉がストレートで、こころに真っ直ぐ響いてくる。

「涼太、ちゃんとしてる?」

「ちゃんと、ですか?」

「あれ、ふたりはもう、そういう関係よね?」

そういう関係……
ちゃんとしてる……

はっ、枕の下に常備されているアレ、あの、避妊のことを聞かれているんだろうか。

「あ、はい、あの、大切にして貰ってます……」

「良かった。そうじゃなかったらぶん殴るところだったわ、ふふ」

バキバキと拳を鳴らすお姉さん、怖い。
お姉さん怖い。
あきよりもずっとずっと怖い。





「……その頬は涼太がやったの?」

今までの質問の真意がわかった気がする。
今日、何が何でも泊まって行ってと言っていた意味も。

……お姉さんはこれが聞きたかったのか。

涼太が、私を殴っているんじゃないかって。
心配してくれていたんだ。

すっかり腫れは引いたと思ってたけど……。

「いえ、違います」

「本当に? 怖い思いはしていない?」

「はい、これは……涼太くんが以前付き合ってた女のひととちょっと……」

「エッ、その女に殴られたの? ……リンチとかじゃないわよね?」

お姉さんも本当に優しい。

「はい、あの……お恥ずかしい話ですが……私も相手を叩いてしまったので……」

「ワァオ、修羅場」

修羅場とか言われると……恥ずかしすぎるんだけど……

「みわちゃんは大人しいイイコちゃんかと思ったら、意外に激情家なのね」

「……強くなって、大切なものを守りたいです」

「……みわちゃん、可愛い!」

ギュッと腕を回されて抱きしめられる。
柔らかくて、涼太とは違ういい香り。

「もう、可愛い〜可愛い〜! 私の妹になって〜!!」

「お、お姉さん……!」

「良かった。涼太が良い子を見つけてきて。あの子は冷めてるところがあるから、ずっと心配だったの……涼太をよろしくね」

お姉さんも心配していたんだ。

涼太、幸せ者だね。



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