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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


今晩は結局お姉さんに説得されて、お泊まりする事になってしまって。

今はベッドの上でお喋りをしている。
大きなベッドを好むのは涼太と同じなんだな。

「みわちゃんはさ、どうしてバスケ部のマネージャーをやろうと思ったの?」

「あ……きっかけは涼太くんに誘って貰ったからなんですけど……。なんとなく、バスケ部の練習を見てるのが好きで」

「へえ〜。幸男君とか格好いいもんね」

幸男君?

……笠松先輩のことか。
な、なんという親しげな……!
お姉さん、凄い。

「みわちゃんは涼太のこと、好き?」

「えッ」

部活の質問からの突然の流れに、思わず聞き返してしまった。

「……好き、です」

「どこが好きなのかな」

どこ。
……頭のてっぺんからつま先まで。
……涼太のこころの中まで、全部好き。

こんなこと言ったら、変態だと思われる。

「全部、です……」

「アイツ泣き虫だけど?」

「……それって欠点なんですか?」

涼太が涙を流すのは、それだけ全てを打ち込んでやっているからだ。
それが欠点だなんて、泣き虫だなんて思ったことは一度もなかった。

「一般的には、やっぱり彼氏には強くあって欲しいものなんじゃない?」

「そういうものなんですか……。私は涼太くんしか知らないので、よく知らなくてすみません……。でも、涼太くんは強いひとだと思います」

「みわちゃんは涼太が初めての彼氏なの?」

「そ、そうです……」

彼氏のお姉さんになんという赤裸々話をしているんだろう。

「他の男の子とか、気になったりしない?」

質問の意味がよく分からない。

「どうしてですか?」

「えっ、どうしてって言われると……みわちゃんくらいのトシだと、色々目移りするものじゃない」

「涼太くんがいてくれるので、気になりませんけれども……」

「……みわちゃんと話していると、あたしの高校時代が汚れきったものに思えてくるわ……」

「それはお姉さんがモテモテだったからじゃ……」

「みわちゃんもモテモテだったら他の男の子にも興味出るのかなあ」

「あはは、出ないですよ、絶対に」

あのひと以上のひとなんて、現れるわけがない。




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