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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


お母さんとお姉さんたちと、大きなダイニングテーブルで紅茶とお菓子を頂きながらお話をした。

旅行であった事とか、撮った写真とか。
海外旅行なんて行ったことがないから未知の世界。

知らない街並みに、見たことのない色の空や海。
そこにはどんな景色があるのかな。

「素敵ですね……」

「涼太と新婚旅行でどこ行くか今から決めておけば〜?」

「ええッ!? とっ、とんでもないことでございますッ!」

結婚なんて、そんな大それたこと考えたこともない。
……自分の未来なんて、想像してはいけないものだったから。

「そう言えば親父は?」

「出張」

お父さんのお仕事は出張が多いのかな、殆ど自宅には戻ってこないらしい。

「あ、私そろそろ出勤だから行くわね。みわさん、ごゆっくりね」

「はい! お仕事頑張って下さい!」

上のお姉さんは、お仕事に行ってしまう。

振り返って微笑んだ姿は、まるでテレビの中にいる女優さんだ。

女同士でもため息が出る美しさ。
黄瀬家、恐るべし。

「さ、お夕飯どうしましょうかね。簡単なものでいいかしら……」

「あッ、お手伝いします!」

お母さんに合わせて、私も席を立つ。

「ちょっとみわちゃん、部屋でふたりで話さな〜い?」

「待てよ姉ちゃん! オレ今日全然みわと話せてないんスからね!」

え……
ちょ、ちょっと……
私は……どうしたら……!

「仕方ないなあ〜。じゃあ今は譲るわ。みわちゃん、寝る前にガールズトークしようね〜!」

「みわ、部屋いこ!」

「ご飯できたら呼ぶから、降りていらっしゃいよ」

「す、すみません……行ってきます……!」

涼太に連れられて、何故か2階の涼太の部屋に行くことになった。




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