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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第57章 透明な君


「みわちゃあ〜〜〜〜ん!」

黄瀬家の玄関に入るなり、新年のご挨拶を交わすこともなくお姉さんに抱きつかれた。

ああ良かった、ほっぺたガンガン冷やしたから、もう分からないくらいになってるかも。

「あっ、お、お姉さん……明けましておめでとうございます」

下のお姉さんはふわふわロングヘアで可愛らしい印象。
前に車で送って貰った時よりも髪が伸びてる。

「うんうん、今年もよろしくね〜! 寒かったでしょ〜、入って入って!」

「もー姉ちゃん、強引すぎっス……」

洋風な造りの黄瀬家。
手を引かれてリビングに連れて行かれると、そこはまるでフリーマーケット会場のようになっていた。

「いらっしゃい! みわちゃん、久しぶり。今年も涼太をよろしくね」

涼太のお母さん。
キレイで、優しい。

というか黄瀬家は全員、びっくりするくらいの美人揃いなんだってば……。

「こっ、こちらこそよろしくお願いします!」

「あ、初めまして。長女です。涼太の初めての彼女のみわさんだよね」

上のお姉さんは無造作ヘアでカッコいい。デキる女って感じ。
看護師さんだって言ってた。

みわさんって、なんだか恥ずかしい。

「は、初めてではないと思うんですけど……今、お付き合いをさせて頂いております。神崎みわです」

「そうなの?」

「え〜だって涼太が彼女連れてくんのなんて初めてだも〜ん。だからあたし達にとってはみわちゃんが初めての彼女なの!」

お母さん&お姉さんズの勢いにタジタジ。

「みわちゃんが来てくれたなら、とっておきの紅茶出そうかしら」

「あ、あたしみわちゃんにフランスでお菓子買ってきたよ〜」

「私、ベルギーでチョコを買ったわ」

「姉ちゃん達、みわが困ってるから!」

「みわちゃん、今夜ここに泊まって行くんでしょ〜?」

「えっ、えっ」

「いやいや聞いてねぇし! オレ明日青山で撮影だし!」

「アンタはいいわよ。朝こっから行けばいいじゃない。あたしはみわちゃんとお喋りしたいんだも〜ん」

「ごめんね。私は今日夜勤なの」

「えっ、えっ、えっ」

ど、どうしたらいいのー!


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