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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第10章 接触


ジリ……

目覚まし時計が鳴ろうとした瞬間、すかさず叩いて止めた。

自分でも驚くくらい、今まで寝ていたとは思えない瞬発力だった。

いつもはどれだけ鳴っててもウダウダ起きれなくて、たまにねーちゃんに怒られるのに。
さっさと起きろ、ウルサイって。

肩口を見ると、みわっちが安らかな表情で眠っている。

何時頃寝付けたのかな。
眠れているみたいで安心した。

良かった、今の音で目が覚めなくて。

昨日はオレも、吸い込まれるように寝てしまった。
みわっちの体温が心地良くて。

最近、インターハイの事で気持ちが昂ぶってなかなか寝付けない日が続いていたからだろう。

みわっちのためとか言いながら、なんだかんだいつも彼女には甘えてる。

ありがとう、みわっち。

つやつやの髪の香りを嗅いで、撫でる。
はあ、みわっち、ほんとになんかもー、好きっスわ……。

「ん……」

いけね、起こしちゃうっスね。
まだ5時前だし、朝のロードワークを……

微かな寝息に、上下する胸。
寝ている彼女を、ずっと見ていたい。

離れがたい。離れたくない。
散々悩んで、ようやくベッドから出る決意ができた。

そっとベッドから出て、着替えて走り込みに行く。

オレのベッドに、みわっちが寝てる。
いいっスね、こういうの。

こんな気持ちになった事があっただろうか。いや、ない。

足が軽かった。
いつもよりペースを早く走ったから、帰ってきてシャワーを浴びても、まだ少し時間に余裕がある。

部屋に戻ると、みわっちはまだ夢の中だった。
相当寝不足だったんだろうな……。
無邪気な寝顔に誘われて、再びベッドに入った。

どちらにしろ今日は、みわっちをゆっくり寝かせて、朝練には出ないつもりだ。
笠松センパイに、昨日のうちに言われてたから。

その代わり、夜は少し残って練習していいと言われた。

朝の分は夜に取り返せば問題ない。
今この時間を大事にしたかった。


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