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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第56章 信頼のかたち


「オレの事、信じてくれるの?」

抱きしめられていて顔は見えないけど、声が震えているのがわかる。

「信じてるよ。ただ、悩む事があったらすぐに相談して欲しいの……」

身体を包んでいる腕に段々と力が込められていく。

「涼太……好き……」

これだけ、これだけ伝わればもういい。
考えたって、分からないことだらけだから。

「みわ」

密着していた身体が少し離れ、顔と顔が凄く近くなる。

これは、いつものキスの距離。

でも、風邪がうつっちゃうから今日はお預け……。

……。

キス、したい。

したいな……。

涼太はいつもの涼太らしくなく、どうしたらいいのか分からない顔をしている。

いつもなら、御構いなしにキスを迫ってくるのに。

「オレ、みわに触れる資格ねぇっス……」

まばたきとともに、下向きになった瞳と長い睫毛が揺れる。

「……前に私に言ったよね、そんな資格なんて、必要ないって」

「……」

「……うつっちゃったら、ごめんなさい」

いつも涼太がしてくれるように、彼の頭の後ろに手を回し、唇を重ねた。





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