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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第56章 信頼のかたち


「ごめんなさい、折角作ってくれたのに残しちゃって……」

「ううん、思ったよりいっぱい食べれて良かった。暫く眠るといいっスよ」

温かいものが胃に入って、気持ちがホッとした。
頭を撫でてくれる涼太とふと目が合う。

……あ……
私、どうして気が付かなかったんだろう。

涼太が、こんなに傷付いた目をしてる。

……

そんな目をしないで。

キス、したい。
……深くまで、触れたい。

なんでこんな時に、こんな体調なんだろう。
頭があまりにも痛くて、目を開けているのも辛い。

「うう……」

何か言うより先に嗚咽が漏れてしまう。

「……ちゃんと連絡すれば良かったっスね。みわから連絡なかったから、先に寝てるかと勘違いしちゃったっス」

え?
私から連絡がなかった?

そんなわけない。
ゾッとするほど着信履歴は入っていたはず。
留守電だって入れた。

メールの送信履歴だって、見てみれば写真付きのものが送られているはずだし。

……Sariさんが消した?

「気にしないで。風邪引いたのは、私が勝手に外出たから……」

「……ごめん」

何度目の"ごめん"だろう。

「もう……あやまらないで……」

なんとか頭痛をおさめようと目を瞑ったら、そのまま眠りの中へ引きずりこまれてしまった。



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