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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第55章 街へ出よう


はっ。

目を開けると自分の家のリビングの天井が見える。

足元が温かい。
コタツの魔力にやられてうっかり眠ってしまっていたようだ。

風邪を引く、とみわに怒られる。
そう思いながらも目蓋は重く、起き上がることはせずに寝返りを打った。

目の前にみわの寝顔がある。
どうやら彼女もすっかり負けてしまっていたらしい。

昼間一度あんな事をしたし、疲れているのかもしれない。

オレの上で乱れるみわの姿が生々しく思い出され、下半身が反応した。

最近、自分でも抑えきれない程の性欲があるのを自覚している。
今まで鬱屈していたものが解放されたかのように、求めてしまう。

それでも、流石にここ最近は求めすぎだと反省し、柔らかい彼女の髪を撫でて、声をかけた。

「みわ、風邪引くっスよ」

「……うん、わかってる……」

……。

………………。

以後、反応がない。

「みわ」

「うん」

……返事だけは立派なのだが、全く起きる気配がない。

「みわってば、ベッド行こ」

遂に返事がなくなった。

仕方ない。コタツの電源を消し、腰から下がコタツ布団に呑まれているみわを引き摺り出す。

「もー、仕方ないっスねえ……」

「あ、や……だ……」

「やだじゃないの。風邪引くでしょ。ベッド行くっスよ」

そう言って彼女を抱くと、抵抗を見せた。



「やめ……て、……たすけて……」



……え?

みわを見ると、苦しそうに眉間にシワを寄せている。

「……みわ……?」

なんだ、今のは。

同時に、部屋の寒気にみわの身体がぶるっと震えた。

本当に風邪を引いてしまう。
さっさと部屋まで運んでしまうとベッドに寝かせた。

掛け布団のひんやりした感覚に少しだけ目が覚めたようだ。

「んん」

今聞こえた悲鳴はなんだった?
怖い夢をまた見た? ヤツとのあの時の夢か?
それとも、別の何かを?

「……寝ちゃってた……」

「おはよ、みわ。なんか怖い夢見てた?」

「夢……なんか見てた気がするけど思い出せないや……」

「そっか」

覚えてないならいい。
とろんとした目でこちらを見るみわの顔をそっと撫でた。




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