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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第55章 街へ出よう


少し歩いて、大きなインテリアショップに辿り着いた。

ワンフロアでも広大な敷地面積で、年始だからか人も多い。
店内に入るとすぐに店員が話しかけてきた。

新居用かなどなんだのと聞いてくるのでよくよく聞いてみると、どうやら新婚カップルだと間違えたらしい。

みわは顔を真っ赤にして否定していたが、満更でもない感じだったのが可愛かった。

なんか、今日はみわとの『未来』を意識するのが多い気がする。

こうやって、ずっと並んで歩いて行けていたらいいな、と思った。

暫く色々な家具を見て回っていたが、肝心のコタツテーブルはあまりに高くて予算オーバーであった。

仕方なくホームセンターへ場所を移し、シンプルな丸足のコタツテーブルにみわがチョイスした北欧風のコタツ布団、日用品を少しだけ買った。

「え、涼太、持って帰るの?」

「ん? そうっスよ」

「重いんだからだめだよ。配送頼もう」

「こんなん重くないっスわ」

本当に重くないんだって。
軽量の買ったんだし。

みわがコタツ布団を持つということで渋々了承して貰い、大荷物のふたりは家に帰る事にした。





「ただいま……っと」

「ただいまぁ」

ふたりとも玄関先で荷物を降ろしてグッタリ。
重くないとはいえ、あの人ごみの中、このかさばる荷物を運ぶのは大変だった。

早々にコートを脱ぎ、組み立てに取り掛かる。

といっても、足つけるくらいだから超ラクなんだけど。
梱包材を横で片付けてくれているみわの方が大変だ。

今は、コタツ布団を開けてベランダで空気を通しているらしい。

テレビの前が途端に和風になるかと思っていたが、みわが選んでくれたコタツ布団がしっくりきていて、特に違和感を感じなかった。

コタツの設置が終わると、オレは早速コタツの虫になった。

「あ〜……あったけー……」

お茶を持ってきてくれたみわも、隣でコタツに入ってきた。

「みかん買ってくれば良かった」

「あー、コタツでみかん、最強」

ふたりでお茶を啜りながら笑った。
穏やかな年始。



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