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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第55章 街へ出よう


「ごめんねみわ、出して貰っちゃって」

「ううん、いつも色々買って貰っててこんなんじゃ全然足りないよ!」

ふと、キャラグッズコーナーが目に入る。

「みわ、好きならグッズでも買ってく?」

「えっ、ううん、それはいい……」

少し下を向いて恥ずかしそうにする。

「なんかキーホルダーとか、お揃いでつけないっスか?」

「……お揃い?」

"お揃い"の効果は凄かった。

多分オレとお揃いの物を持ちたいんだろう。
イヤーマフの時もそうだったし。

どんだけ可愛いんスか。

キーホルダーコーナーに行くと、普通のキーホルダーの他に、小さいぬいぐるみがついているものがあった。

なんとなく、みわが持ってたら可愛いなと思った。
そして、彼女の視線も時々この商品に飛んでいた。

「みわ、このちっこいぬいぐるみのキーホルダーは? カギとかにつけたら鞄の中でもすぐ見つかるんじゃないスか?」

「えっ……でも、涼太がこんなの恥ずかしいんじゃ……」

「ん? 別に? これがいいならこれにしようよ。オレはこれかな。これならまあ全く同じぬいぐるみじゃなくてもいいっスよね」

なんとなく食パンの顔をしたキャラのキーホルダーを手に取る。

みわは、嬉しそうにバイキンの女の子キャラのキーホルダーを手に取った。

これくらいいいよと会計はオレが済ませると
みわは何度もお礼を言い、まるで宝物を抱きしめるかのように微笑んで大切そうにしている。

こんなキーホルダー1つで。
もっといい物買ってあげれば良かった。

「じゃあ、行こっか」

お目当てのインテリアショップはもうすぐそこだ。

値段と相談して無駄に高いようなら、同じくすぐそこにあるホームセンターで買ってしまおうかなと思っている。

繋いだみわの手は、冷たかった。



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