第55章 街へ出よう
……なんか……エロい……。
なんで女の子って……いや、みわってこんなにエロいんだろう。
オレがいつも拭いてあげてるのに。
なんかちょっと仕事を取られた気分。
拭いても拭いても拭いきれないらしく、追加で何枚かティッシュを取っている。
全部舐め取ってあげればよかった。
なんて、また怒られそうな事を考える。
……なんかオレ、どんどん変態臭くなってないか……?
みわを眺めながら、自分の処理はささっと済ませてしまう。
みわは赤い頬を押さえるようにしながらタイツを履き終えていた。
「……涼太、ごみ」
みわが鞄からガサガサと袋を出してきて、ゴミをそこに捨てるようにと促す。
「ん?」
確かに、ラブホじゃないから流石にここにゴミ捨てちゃマズイっスよね。
「ありがと。用意がいいっスね」
「……たまたま、エコバッグ代わりになるかなって入れてただけ……」
俯いて袋を閉じている姿を見て、ああ、この子は本当に綺麗になったなと思う。
元々清潔感のある素朴な感じだったのが、最近は色気まで出てきて……艶のある美しさになった。
「……涼太、どうしたの?」
「あ、なんでもないっス。みわに見惚れてただけ」
「ええ!?」
更に顔を赤くして、バタバタとオレに背を向けた。
「……なんか……カラオケって感じじゃなくなったっスね……」
「うん……」
あんなに熱く抱き合っていたのに、一種の気恥ずかしさのようなものを感じて若干気まずくなる。
まだ時間は残っているが、店を出ることにした。